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【疾患シリーズ】忘れられたヒアリ(火蟻) 刺された時の症状と対策

2018/01/03

しずさと診療所所長柄澤正人

◎一時はセンセーショナルに連日ニュースになっていた、あの「殺人アリ」と呼ばれた「ヒアリ」は、今はどこでどうしているんでしょう。さっぱりニュースがありません。実は、あちこちで発見されているようですが場所は公表されていません。
みんなの記憶から抜ける頃に大きな事件がおきるかも知れません。
改めて復習しましょう。

◎刺された時の症状と対策について(環境省の資料から)
刺された時の症状(人によって大きく異なります)

軽度 熱いと感じる激しい痛みがあり、やがて同部がかゆくなる。10時間ほどで膿(ウミ)が出る
中度 刺されてから数分~数10分後に、刺された部を中心に腫れが広がり、部分的、または全身にかゆみを伴うジンマシンが出る
重度 刺されて数分から数10分の間に、息苦しさ、声がれ、激しい動悸やめまいなどを起こすことがあり、進行すると意識を失うこともある。
これらの症状が出た場合にはアナフィラキシーショックの可能性が高く処置が遅れると生命の危険もある

 

刺された時の対処法
20~30分は安静にし、体調の変化に注意。軽度の症状のみで悪化が見られなければ、ゆっくりと病院を受診しても大丈夫(環境省の資料)
容態が急変したら、一番近い病院(できれば救急受け入れのある病院)を受診し「アリ
に刺された」「アナフィラキシーの可能性がある」と伝えすぐに治療を
【注】容態の急変=上記の『重度』の症状

 

*アナフィラキシーとは
急激に激しく起こる即時型のアレルギー反応で、虫刺されだけでなく、食物アレルギー(最も多い)や薬の副作用などでもおこり、虫刺されだと15分以内に、食物だと1時間以内に具合が悪くなります(アナフイラキシーショック)。逆に1時間以上経っても血圧などに変化がなければ大丈夫です。
*ヒアリの毒の抗原は蜂の抗原と共通成分あり、蜂に刺された経験のある人も要注意
*アナフイラキシーショックの予防で、刺されたすぐ後に自分で打つ「アドレナリン自己注射(エピペン)」を持っておくのもおすすめです。

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